今日あったこと

学校にて。私の友達にカズトという奴がいる。

カズトは、はっきり言って、いい奴だ。かなり親切だし、ジョークも上手い。

ただ、カズトは普通の人とは違うところがある。

カズトはロリコン、つまり、Lolita complexなのだ。

ロリータコンプレックス 異常性欲の1つ。幼女にのみ性的欲望を感じる心理。略してロリコン。」(infoseekマルチ辞書より)

ということはだ、カズトは「異常」ということになる。

そんなカズトと、今日おしゃべりをした。

カズト「ASHは彼女にするなら、何歳までOK?」

ASH「タメ±1*1までだな。」

カズト「ガード固いなぁ・・・・・」

ASH「お前は?」

カズト「下は11歳までOKだ!」

ASH「犯罪だろそれ。」

カズト「なんでだよ? 愛があれば問題ない。」

ASH「そーじゃなくって。だいたい、11歳って言ったら小学5年生だろ?」

カズト「ああ。」

ASH「義務教育まっただ中じゃん! ってーか、そんなののどこがイイのさ?」

カズト「とりあえず若い。」

ASH「お前だって十分若いから。」

カズト「それに、純潔だ。」

ASH「お前が手出したら、汚れるだろ。」

カズト「胸だって、まだまだ未発達だし。」

ASH「・・・貧乳好きなのか?」

カズト「中学生までは、胸はAカップまでって、決まってるの!」

ASH「聞いたこと無いぞ、そんなの。」

カズト「あーもう! 何で分かんないかなぁ? イイ物はイイんだよ!」

ASH「分からないものは分からない。ってーか、分かりたくない。」

以上が話した内容だ。

一体全体、どうしたらああなってしまうのか。私には理解できない。

ただ1つ、分かった事がある。

カズトに彼女が出来ないのは、きっと、っていうか、絶対、コレのせいだ。

自宅、自分の部屋にて。

「何! 効いていない!?」

私は驚愕した。

「まさか、ニュータイプ!?」

緊急事態に置かれている私の脳内で出された結論は、それだった。

奴の装甲板をも思わせるその固い外骨格は、私の手に握られている対虫生物兵器「アースジェット」から吹き出される死の霧を完全に跳ね返した。

頭部から突き出た2本の触覚が、私をあざ笑うかのごとく動く。

奴は、そう、ゴキブリだ。

私はゴキブリが嫌いだ。大嫌いだ。

あの毒々しい動き。奴らは存在するだけで罪だ。

「こうなったら・・・あれしかない!」

私はおもむろに、自らの足に手をかけ、足に装備されていたそれを取った。

それは、対ゴキブリ用に開発された兵器と言っても過言ではない。

それは、対ゴキブリ用兵器「スリッパ」!

私にはそれが、聖剣エクスカリバーに見えた。

「おりゃぁぁああああ!」

私は自らを鼓舞するかのように雄叫びをあげ、奴との間合いを詰めていった。

「死ねぇい!」

私は、奴に向かってスリッパを思いっきり振り下げた。

だが、奴は私の攻撃を避けて、私の背後へと移動した。

「くそ! ならば!」

私は四つんばいの状態から、そのスキーで鍛え上げられた左足を踏ん張った。

体が反転し奴の方へと向いた。

私はそのまま左手を床に着き、右手を振り上げた。

「往生せいやぁ!」

振り上げられた右腕の位置エネルギーを運動エネルギーに変換しつつ、さらに右腕の筋肉を総動員して、破壊力を増幅させていった。

バーン!!

部屋中にその音は鳴り響いた。

「勝ったな・・・・・・」

私は確信した。また、それを証明するように、スリッパの下から奴が出てくる気配はない。

「勝負とは、勝者と敗者を分かつもの。故に、勝負の世界は非情。」

私はそう言い残すと、奴の亡骸残る戦場を後にした。

*1:ASHは17歳。高校二年生の男子学生。